古川町商店街は、古くは安土桃山時代以前から、京都に若狭からの水産物を運ぶルートとして「鯖街道」と呼ばれた若狭街道。その終点が古川町商店街の入り口であり、言うまでもなく周辺は仕入れ業者や一般客で賑わいました。
その後、1950年に古川町朝日会が発足し、54年に京都商店連盟に加盟。最盛期は約50軒もの店舗が並び、祇園の高級料亭からも食材を求める料理人などが訪れました。現在では生鮮品を扱う店舗はほぼありませんが、昔ながらの肉屋、惣菜屋、生花店などが暖簾を守っています。
そんな古川町を歩いていて気付くのは、「若い女性が多い」ということ。道幅は2~3m、人とすれ違うのもやっと……という細い場所もありますが、カメラ片手の観光客や地元っ子らしき若者が多数。道のあちこちで撮影する姿が見られ、その先にはカラフルな丸いランタンが。これは「パステルランタン」という提灯で、2019年から商店街の活性化のために取り付けられたものです。アーケードの天井にピンクやブルー、オレンジなど色とりどりのランタンが飾られ、ノスタルジックな商店街の雰囲気に溶け込んでいます。有名なCMや映画の撮影にもこの風景が使われたとか。