北野天満宮ずいき祭・瑞饋祭(ずいきまつり)は第62代・村上天皇の時代(946年(天慶9年)~967年(康保4年))に始まったと言われています。ずいき祭は901年(延喜元年)に太宰府に左遷された祭神・菅原道真が大宰府で彫った木像を随行の西ノ京の神人(じにん)が持ち帰って祀り、秋の収穫期に野菜や穀物を供えて感謝したのが起源と言われています。なおずいき祭は現在は北野の神を西ノ京の御旅所に迎えてずいき御輿を奉り、収穫に感謝の誠心を捧げる祭礼になっています。
ずいき祭の1日目(10月1日)は午前中に鳳輦(ほうれん)に神霊・天神さま(菅原道真)を移す出御祭が行われ、午後から3基の鳳輦・鉾(梅鉾・松鉾)・神職などが氏子地区を巡行して、西ノ京の御旅所に向かいます。御旅所到着後に着御祭が行われ、八乙女舞(やおとめまい)が奉納されます。なお野菜・乾物などで飾り付けしたずいき御輿は鳳輦とともに4日まで奉安・駐輦(ちゅうれん)されます。
ずいき祭の2日目(10月2日)は午前中に御旅所で、表千家宗匠による献茶祭が行われます。
ずいき祭の3日目(10月3日)は午後から御旅所で、甲御供奉饌(かぶとのごくほうせん)が行われます。
ずいき祭の4日目(10月4日)は午前に御旅所で出御祭が行われ、牛が曳く御羽車・鳳輦・鉾・神職などが氏子地区を巡行して、北野天満宮に戻ります。天満宮到着後には着御祭(還幸祭)が行われます。なお行列に先立ってずいき神輿が巡行します。
ずいき祭の5日目(10月5日)は午後から后宴祭(ごえんさい)が行われ、拝殿前で八乙女舞が奉納されます。
ずいき祭の「ずいき」は里芋の茎(くき)である「芋苗英(いもずいき)」のことで、ずいきを神輿の屋根を葺くことからずいき祭と言われるようになったそうです。なおずいき神輿は慶長年間(1596年~1614年)頃に北野祭(例祭)で供えた野菜を大型御輿として作り飾り付けたのが起源と言われているそうです。